『第 8 回日本ダンス医科学研究会』学術大会 で発表しました
学術研究会ではじめて「エイジレスバレエ・ストレッチ」実施の背景と、効果の発表をさせていただきました!
本学術大会では、長くダンサーを続けるために、ケガや事故を防ぐための医学的見地からの研究の発表をはじめ、様々な視点からの分析等が披露されました。
日本をはじめ、ニューヨークや台湾での研究もあり、興味深い内容も多くありました。
中高齢者を対象としたものは私たちの提案のみで、共感いただいた方々ともお話ができ、また新しい展開ができた有意義な一日でした!
●日程 3月5日
●会場 同志社大学室町キャンパス 寒梅館ハーディーホール
【エイジレスバレエ・ストレッチ抄録】
人生最後の日まで自分の足で歩ける体づくり、
日本初エイジレスバレエ・ストレッチの効果を検証する
~なぜ中高齢者にバレエなのか~
研究者氏名:田仲智子,藤井治子
所属:一般社団法人 日本エイジレスバレエ・ストレッチ協会
【背景】
・超高齢化社会の日本。2035年には3人に1人、2060年には2.5人に1人が高齢者となる。しかも総人口は8674万人になる。
・中高齢者に対する運動指導、リハビリプログラムは多くあるが、ロコモ対策の運動としてどういう運動に効果があるか不明な点も多い。また、バレエを利用してのロコモ対策の報告は我が国においては殆ど無い。
・バレエにおける基本的動作は、まっすぐな姿勢の維持、筋力強化、柔軟性向上、関節可動域の向上につながる。それらは中高齢者のロコモ予防に効果があるのではないかという検討を重ねてきた。 ・米国整形外科学会は2016年10月にロコモ予防の手段としてバレエが優れていることを発表している。
【方法(研究方法)】
・50代~80代を対象としている。
・エイジレスバレエ・ストレッチ(中高齢者向けに開発したバレエストレッチ)のレッスンは2013年より堺市でスタートし、現在までに8拠点、生徒数120名となっている。 ・エイジレスバレエ・ストレッチのレッスンを週に1回(月4回)1時間実施。
・エイジレスバレエ・ストレッチは約20分の呼吸法を用いた筋肉を弛めるストレッチ、約20分の呼吸法を用い両手でバーを支えとしながら行う姿勢づくり・プリエ・ルルべ・タンジュ等、筋肉強化トレーニング(レッスン中休憩を2度挟む)とした。
【結果・考察】
・スタートより4年を経たが、これまでに筋力、バランス、姿勢の改善、体調の改善について多くの声が収集できている。特にまっすぐな姿勢に戻すのに効果があり、スタートから三カ月で1/3の人が、一年で9割の人が姿勢の改善を達成した。また、日常生活でのQOLの向上の報告を多数受けている。
パイロットスタディとして有用性を認めるため、さらに本年度より定期的な測定、アンケートを実施し、検証を深めたいと考える。